【がれき広域処理問題】富山でも住民監査請求

3月4日、木下黄太さん、山本太郎さん、青木泰さんらを中心に富山でがれき阻止の大集会が開催されました。
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現在、北九州市、宮城、岩手に続き、富山からも住民監査請求が出されています。
 
がれき広域処理の終息まであと一息。
全国で力を合わせて一日も早く、税金の無駄遣いであるがれき広域処理を終わらせ、本当の復興支援をしましょう。




3月4日 富山報告    
20130306  環境ジャーナリスト 青木泰
1) 富山 住民監査請求 (県128名、市100名)
3.3ガレキ阻止大会、交流会の後、住民監査請求の必要性を学習し、その後参加市民に請求署名をお願いした。池多の地元を中心にした請求署名と合わせて富山県に128名、富山市には100名の請求人署名で3月4日午後提出した。
提出に先立ち、県庁隣の県民センターで13時から記者会見を行った。記者会見の様子はチューリップTVでも報道され、翌日(3月5日)添付したように富山県の主要各紙が報道した。
記者会見には池多の未来を守る会から中山郁子代表を含め3名、そして富山市民4名、排出側の岩手県から「子供たちの放射線被曝低減化を推進する盛岡の会」の中山一絵世話人、3.26ネットから土居保弘医師、青木が参加して行った。
3.3ガレキ阻止大会&全国交流会に続く連日の記者会見だったが、報道された内容は、要点をまとめた正確な報道が目立った。
「住民側は、広域処理が必要とされる岩手県内のがれきの量が下方修正された上、同県が県内で処理できる量が示されていないなどと指摘。『必要性が示されていない広域処理は財政に欠損を与える』などと主張している」(読売)
「がれきの広域処理が終息する中で、富山県での受け入れが必要な理由が不明。」「膨大な経費の無駄遣いが行われ、自治体に損害を与える」(北日本)
「請求では、広域処理を必要とするがれき量は当初より大幅に減少したと指摘。県内で処理するがれき量の検証が不十分」(北陸中日)
「県は岩手県山田町の木くずを中心とした可燃物のがれきを引き受ける方針だったが、…同町の木くずは、今月末までに・・処理されてしまう予定と言う。住民たちは『存在しないがれきを受け入れることができない』と主張している。」(毎日)
「広域処理は終息に向かっており無駄な支出になる」(朝日)
実際 住民監査請求書では、次の2点が広域処理の要件として法令的にも問題になることを示し、
被災自治体で処理した上で、広域処理が必要であることを示す
自治体間のがれき処理に対して交付金(=補助金)が支給されるため、その処理が補助金適正化法に基づき、適法かつ合理的に行われているか。
排出側の岩手県が、それらの点で、次の問題点を抱かえていた点を書証を付けて示していた。
埼玉県、静岡県では、数か月前に測量したがれきの量が10分の1から7分の1にも減っていた。ミスと言うレベルでなく、明らかな間違いである。ところが今回富山県や大阪、秋田に広域化する数量は、その間違った業者による測定結果で算定している。
  事故を起こした給湯器や自動車の場合、販売済みの同製品は、リコールに応じ安全性を担保するのが社会常識である。)ところが10倍も計測を間違った業者の測定結果を今もそのまま使い、それに基づきがれきの広域化の必要量を算定している。
静岡県は、山田町から木くずを持ち込み、県内各市で焼却処理する予定が「木くずが無くなった」と言うことでこの3月に終息する。富山県も同じ山田町から「木くずを主とする可燃物」を持ち込む予定だが、木くずがない以上「木くずを主とする可燃物」の持ち込みは不可能だ。
岩手県達増知事自身、岩手県のがれきの処理量について「比重等の関係があり精査中」と答えている。精査中では、がれきの広域化必要量は計算できず、計算できないのになぜ、広域化を進めようとするのか疑問だ。
法律的に禁止されている再々委託を含んでいる。
等々。
ここにきてようやくメディアが、絆キャンペーの呪縛から解き放たれ、絆キャンペーンの陰で環境省ががれきの広域化に託けて、復興資金の無駄遣いを行う酷い実態にメスを入れつつあるように見える。今後の報道に期待し、まずは、富山へのがれきの持ち込みへの疑問の声を取り上げてくれた今回の報道に感謝したい。
2) 盛岡市の市民団体が、告訴取り下げの要望書を提出
岩手県での住民監査請求の代表者の中山一絵さんは、所属する「子供たちの放射線被ばく低減化を推進する盛岡の会」ら5市民団体の「告訴取り下げ要望書」を富山地区広域圏組合、管理者森富山市市長に3月4日提出した。
この件についても、3紙(北陸中日、毎日、朝日)で大きく取り上げられた。
中山さんの要望書提出は、住民監査請求の記者会見前の12時に行われた。要望書は担当課を通し、森管理者(富山市長)に提出され、富山のお母さん達も同行した。中山一絵さんらが市庁舎に行くと、多数の警備員が待ち構え同行者が聞くとどうやら「池多の未来の会」の中山郁子さんが告訴取り下げを求めて抗議に来ると伝わり、備えたという。同じ「中山」で勘違いしたらしい。
中山一絵さんは、記者の取材に答えて次のように答えている。
「子どもたちの行く末を案じるお母さんたちの抗議行動は、母親として当然で、告訴は行政の責任、義務を放棄した恥ずべき行為」「多くの岩手県民は岩手のがれきが原因で、富山の母親が、非道な仕打ちを受けていることに心を痛めている。」(毎日)
「がれき問題で住民が告訴されるのは残念。一刻も早く取り下げてほしい。」(北陸中日)
「告訴された皆さんは、放射能汚染を危惧し、子供の未来を守ろうとしたもの」(朝日)
住民監査によって、今回のがれきの受け入れが、被災地を考えた支援策と言うよりは、環境省と関連自治体によるよこしまな利権の疑問が浮かび上がる中で、がれきの受け入れ反対の行動への告訴の不当性は、中山一絵さんらの要請文によってより明らかになった。
3)皆様お世話様でした。
3月3日のガレキ阻止大会、全国交流会、そして3月4日の告訴取り下げ要請文提出、そして住民監査請求連続した行動でしたが、緊急の準備体制の中で集会は成功裏に終わりました。お世話様でした。また多くの皆さんの協力でメディアでも記事になり、一定の影響を残せたようです。
告訴を取り下げさせ、起訴・弾圧を許さず、がれきの広域化そのもの完全に終息させるため、皆さん、共に、もう一段のご支援、ご協力をお願いします。